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速報その8

写真他にもあります。

マーク、リサ、ナタニエル、エレン・ローズ、フェルナンド(年齢順)・ ヒメネス

昨年訪問したフィリピンの子供たちから、手紙を受け取りました。字はミミズが這ったようで、英語は間違いだらけでしたが、判読してみると、自分たちが結核にかかって、治療費が不足しているというのです。この手の依頼は詐欺行為である可能性があるのですが、以前から知っている家族であり、それはありません。医師の処方箋とか薬局の領収書のコピーまで同封してありました。再度フィリピンに行き、この目で確かめてきます。4人分の薬代は払えたが、もう1人分が足りないから、助けて欲しい、という依頼が彼らの従兄弟マイケル・ニブレからもきました。マイケルは以前わたしが学校に出してやった男性です。

話は長くなりますが、フィリピンはケソン・シティーに住む友人家族オレンダイン家にノルマという通いの洗濯女がいました。未亡人です。彼女を見捨てて若い女の許に走り、その挙げ句、病気になって、見捨てられた主人を、ノルマが再び引き取って最期を看取ってやった、という話を聞いて、感動し、驚いたものです。いや、呆れた、と言った方が正確かも…ノルマの長男がマイケルです。その妹ジンジンと彼をわたしが学校に出してやったのは、この感動と驚きの延長からでした。マイケルは一時就職したものの現在無職。ジンジンは助産婦になり、結婚しています。でも、豊かではありません。もう一人の弟ジミーもいたのですが、あのころは資金もなく、彼の応援は諦めました。彼は中学を卒業し、バスの車掌になっています。ノルマは高血圧がありながらまだ健在。

さて、ノルマの兄に当たる男性は彼女の家の隣に住んでいます。両方とも田舎から出てきて、公有地に無断で住み着いたスクワッターでした。最近、払い下げがあって、そこは一応自分たちの土地になったそうです。この男性には妻がいましたが、離婚。その後、彼は次々と複数の女性と暮らした後、ある女性と暮らし始めましたが、脳卒中で倒れ、半身不随。六人も子供を生んだこの女性は生まれたばかりの赤ちゃんを4万ペソで売り飛ばして、その金を握って若い男性と夜逃げ。マイケルによると、可哀想に、上の子供たちはその間の事情を全部知っているそうです。上の写真はその子供たちです。わたしがマイケルに乞われて、彼らの家を訪問し、子供たちに会ったのが昨年7月でした。半身不随の父親にも会いました。さすが、事情を知ってしまったわたしに、父親はあまり可愛く見えませんでした。ノルマは貧しいながらこの子供たち全員の母親代わりになって面倒を見ています。法律的にどうかは知りませんが、子供たち全員を自分の養子にしました。兄の看病人もノルマが雇い、治療費も彼女が払っています。貧しい人たちがこれほど徹底的に分かち合うのは日本人であるわたしにはビックリでした。なお、聞くところによると、フィリピンの結核は日本の結核より治りやすいそうです。おそらく、かの国の結核菌には日本の菌ほど抗生物質に対する耐性がないからでしょう。

五人の子供たちの名前はMark, Liza, Nathaniel, EllenRose, Fernando二番目と四番目が女の子です。一番上の子が12歳。一番下が五歳です。全員ツベルクリン反応が陽性。軽症ながら全員発病しています。お金がないから長男のマークは我慢して自分は薬を飲まないで、弟と妹たちに飲ませているそうです。でも、まだ子供です。「ぼくは死ぬのが怖いです」とも書いてありました。エレン・ローズは口から寄生虫を吐いた、とありましたから、おそらく大量の回虫がいたのでしょう。彼らの姓はJimenez — ヒメネス。そう言えば以前救出したコロンビアのストリップ・ダンサーもヒメネスでした。これ関係ないか!

せめて、薬代でも、できることなら教育費もこの子たちのために送って下さることを望んでいます。少額でもかまいません。芳名簿に記載されないことを望む方はその旨お申し出下さい。募金の送り先は 郵便振替 01740-9-87808  『フマネ・ヴィテ』研究会 鹿児島在住の『フマネ・ヴィテ』研究会員には監査役もお願いしたいのですが、どなたか志願してください。

彼らの住所を下に書いておきますが、現金は送らないで下さい。郵便局で抜き取られる可能性があります。いくらわたしに送ったかを書いて下さったら、それで十分でしょう。日本語で書いた励ましの手紙をわたしに送ってくだされば、翻訳します。わたしの口座がフィリピンにありますから、そこを通じて受け取るよう手配します。連中には必ず返事を書かせます。

Mark, Liza, Nathaniel, EllenRose, Fernando Jimenez
c/o Norma Libre
Sto Nino St., Macdash Compound
Hilarmi Subdivision
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続報
父親不在のもう一家族の三人の子供たちメラニー、メリッサ、マーク・オセンニャも、十三年前から主に医療費と教育費を払ってやっています。20歳になったメラニー(写真)は三月、四年制大学を卒業します。メリッサ(写真)は受け口で、噛み合わせが悪く、消化不良のために虚弱児でした。歯の矯正をしてやったら、今度は元気になりすぎて、二度も家出をしてくれました。幸いなことに、無断で遠いところに行って、お金がなくなった…というだけで済みました。父親不在の子は不安定になりがちなのでしょうか? でも、今はおとなしくなっています。オレンダイン夫人から、罰として休学を命じられ、三月までマクドナルドで働いています。マーク(写真は別ファイル)はハンサムで頭も良く、親孝行者です。日本でいえば東大に当たるフィリピン大学を受験しました。発表は3月。「試験問題は全部解けたよ」と言っていますが、どうなのでしょう? 高校一年のころは奨学金をもらっていたのですが、夜、複数の女の子たちからしばしば電話がかかってきたので、成績が一時落ちるというハップニングがありました。姉ちゃんたちに電話を決して取り次がないように厳しく言いつけたら、再度成績は上がってきました。やれやれ! こちらの援助もしばらく続きそうです。よろしく。

毎年少なくとも一度はフィリピンに行きますが、皆さんの中で子供たちの里親になりたい方がいらっしゃれば、いやそうでなくても、喜んで同行・案内しますよ。

オセンニャ家の子供たち用の口座から立て替えてもらったお金を受け取って、全員必要な薬を服用できるようになったそうです。今日受け取った手作りのクリスマスカードの裏に、お礼の言葉と報告がありました。まだ、子供たちにはどなたがお金を送って下さったか知らせてありません。送金なさった方の住所は分かりますが、直接手渡してくださった方は住所をお知らせ下さい。

続報その2

マイケルとヒメネス家年長の子供たち三人から手紙が来ました。全員薬を服用しているとのことです。わたしの預金口座を管理しているオレンダイン夫人から、治療費の他に、クリスマス・プレゼントとして、お小遣いももらったそうです。さて、日曜日のミサの後、年長の子三人はマイケルに率いられて、生まれて初めての映画を見に行ったそうです。お化け退治のお話Spirit Warriorsを見た、と書いてあります。マイケルによると、映画館の中が暗いので、子供たちは怖がってなかなか中に入ろうとしなかったそうです。1月12日、病院で再検査があるので、怖がっていました。長男マークの新年の決心は元気になることともっと勉強すること。リサはいい子になることと、わたしからバービー人形を買ってもらうこと。ナタニエルはもう一度映画を見ることと、これまたわたしから何かおもちゃを買ってもらうことだそうです。

2月9日、東京で会議があります。東京からなら安い航空券が買えるので、マニラに様子を見に行ってきます。現在、35000円のカンパをいただいています。このサイトを見る皆さまにお願いします。少額でもかまいません。出発までに募金を送って下さい。わたしがそれに同額を加えて渡します。ですから、皆さんが余りたくさん送って下さると、わたしは確実に破産することになりますので、あまりに多額の募金はご遠慮下さい。(と、お願いしたにもかかわらず多額のご寄付をいただきました。前言を取り消さないと、わたしのお金が底をつきかねません。悪しからず。)

続報その3
フィリピンから日本に帰る留学生に託された電話の伝言を受け取りました。八歳のナタニエルが入院するからよろしく…高いから心配している…心配しないように言ってやりました。でも、本当は心配しています。いくらかかるのだろうか? いつまで入院なのだろうか? 出張先の東京から足を延ばして行ってみます。あそこからだと航空券が安いから…

続報その4
2月12日から16日までフィリピンに行ってました。皆様から寄せられた善意のお金にわたしの分も足して10万円ほど渡してきました。子供たちは思っていたより元気そうで、下の子供などは自分が病気であることも知らないかのようでした。しかし、あそこでは適切な治療が受けられなくて死んでしまう子供もたくさんいます。ナタニエルは入院の代わりに毎日通院して注射してもらうことに決定。見ていると、どの子も耳の検査をしていましたから、結核と耳の疾患は関係があるのでしょうか。子供の結核というのは必ず身近に保菌者がいて、伝染するのだそうです。彼らの場合はノルマが雇った父親の看護人だったことが分かり、もう止めてもらったそうです。

ところで、子供の結核の初期は感染しないということで、学校にも通っていました。リサは栄養補給に送ってもらったカロリーメイトを仲良く同級生と分け合っていましたが、これは薬だから…と言って、それだけは堅く禁止しました。マイケルによると、どの子も下着などは現在着ているものの他に一枚しか持っていないとのことで(おそらく本当ではないでしょう。マイケルは逞しいのです。でもいいじゃないですか?)、デパートに買い物に連れて行きましたが、フィリピンの子供たちは音楽を聴くと自然と体が動くのです。「あれ、こいつらホントに病気かな?」とつい思ってしまいます。でも、後で、彼らが服用する薬のビンを一抱え見せられて、やっぱり連中は病気なんだ…。兄弟が多いとお下がりを着るのですが、女の子が兄ちゃんからもらった男児用の黒い靴を履いていました。

ところで、病院では女性の医師たちが下の男の子たち二人をたいそう気に入り、盛んに「責任者はだれか」聞いています。よく聞いていると、まあ、その子たちを養子にもらって自分たちで育てたいのだそうです。まるで、犬の子か猫の子をもらうような感覚です。養子縁組はごく自然かつ頻繁に行われ、もらった方は「運が良かった」などと言っているのをよく耳にします。大人になるまで育て上げるには当然金がかかるのですが、この国の人たちはお金と子供たちを天秤に掛けることはしません。別の知り合いには、町で会った乞食から買ってきた子供が二人もいて、それぞれに専用の運転手と子守を付けていました。信じられますか? でも、これ本当! 子供たちの学校はすぐそこにあるというのに…

ノースウェスト航空は機材変更ということで、乗客100名以上が積み残しになり、わたしも予定日には行くことができませんでした。成田のホテルに泊まり、次の日の出発になりました。こういう場合、もう一度行けるように往復チケットをくれるのですね。三月にメラニーの卒業式があるので、様子を見て、もう一度行くかもしれません。


.芳名簿
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成相明人 — John A. Nariai
Humanae Vitae Research Institute
郵便振替 01740-9-87808 『フマネ・ヴィテ』研究会
e-mail nariai123@icloud.com
URL  http: //hvri.catholic.ac/
Tel & Fax 81-(0)994-32-0313
PHS 07055321697
〒891-2106 鹿児島県垂水市中央町26 カトリック教会

続報その6

オセンニャ家のメラニーは大学を卒業して、就職活動をしています。メリッサは結局コンピュータの大学に行くことになりました。弟のマークも一日遅れてサント・ドミンゴ大学の入学手続きに行ったために、資格を失い、メリッサと同じくコンピュータ・カレッジに行くことになりました。フィリピン人はこんなにのんきというか抜けたところが…いや、のんびりしていると言った方がいいのかも…メラニーのためにわたしが卒業祝いに買ってやっコンピュータを見て、コンピュータに夢中になったものと思われます。でも、無学なガードマンが夜会社で夜警の時間を利用してコンピュータを覚え、今その会社のトップセールスマンになった…という話を聞く国ですから、この子たちの人生もコンピュータの知識で開けていくのかも知れません。

ヒメネス家の子供たちはナタニエルを除いて全員治りました。ご支援ありがとうございました。残りのお金でナタニエルの治療は完了できると思われます。今後は時たまのお小遣いぐらいに止めて様子を見ることにしましょう。