コンドームと十代のHIVについての医学的評価
筆者
医学博士 ラウル ・ アレッサンドリ
医学博士 ゼーリグ ・ フリードマン
医学博士 リリアナ・トゥリヴェッリ
成相明人 訳
「フマネ・ヴィテ」研究会
お願い—医療関係者がどなたか校正してくださるとありがたいのですが…専門用語は難しくて…
The official journal of The National Federation of Catholic Physicians' Guilds ・ Linacre Quarterly Vol.61 August, 1994 No.3 同ギルドの許可を得て翻訳。なお、内容は必ずしも同ギルドの公的見解であるとは限らない。
筆者紹介
アレッサンドリ博士はロングビーチ記念病院で1986年から病理学者として勤務。フリードマン博士はアレルギーの専門家・正統派のラビでもある。トゥリヴェッリ博士は米国血液銀行協会の検査員である。
よくあることであるが、かまびすしく宣伝された性の革命は社会がまったく意図しなかったレベルを巻き込んでしまいました。つまり、まだ思慮には欠けても、性的に活発になる十代の年齢がますます低下しています。それに伴って、複数パートナーとの性、性病、子宮外妊娠、従来の何倍にもなる若年妊娠つまり婚外子の問題があります。それだけではありません。エイズが性的に伝染する病気でないと政治的には決定されたにもかかわらず、HIV/エイズが、このグループに頻繁に見られるようになる可能性もつけ加えなければなりません。
高い失敗率、快感の減少、装着時の気恥ずかしさのために、効果的人工避妊法として昨今ほとんど放棄されたに等しいコンドームですが、「より安全な性」の手段として、つまりこの疫病から若者たちを救う手段として、最近再び見直され、採用され始めています。
このやり方にはいくつか致命的欠陥があります。供給業者にも少しくは正直さと善意があるらしく、これが「100%有効な解決であるわけではなく、性的に活発になる人たちに自分たちが提供できる最善のもの」としか主張していません。しかし、そんなことは解決どころか、問題を何倍も大きくしてしまう元凶であるのかもしれません。伝染病の専門家であるノーブル博士は「十代の人たちにコンドームを配るのは、まるで大火事を消すためにおもちゃの水鉄砲を支給するようなものである」1とまで言っています。
コンドーム使用時の失敗
A)経験者の場合でもコンドームの破損や脱落はよく知られた事実です。トゥラッセルその他による最近照合されて確かめられた二つの報告によると、破損とか脱落のケースが14.6%にも及ぶといいます。一番目の研究の中で発表者たちは次のように締めくくっています。「二種類のコンドームを使用した研究では、405個のコンドームの中、性交中もしくは脱離の際に7.9%が破れ、もしくは性交中に脱落してしまいました。これらはコンドームの種類には関係がありませんでした。7.2%は離脱の際に抜け落ちましたが、この脱落はコンドームのブランドとか再使用にも関係はありませんでした。しかし、追加の潤滑剤が使用されたときは、かなり率が高いことがみとめられました」2二番目の研究はFamily Planning Perpectives誌上で次のように発表されています。「研究者が気付くことですが、性交中に17%のコンドームが滑って、外れてしまうのは、ある程度までは不完全な使用法によるものと思われます。研究に参加した女性たちはみな、書面と口頭でその正しい使い方の説明を受けていたので、それ以上に忠実に従うことを一般の人たちに期待するのは無理ではないでしょうか」3
B)FDAの品質管理。1987年春FDAは「コンドームに300mlの水を入れて、水漏れがないかどうか」の検査を始めました。「…ある製品群の1000個のコンドームの中4個以上に水漏れがあれば、その製品群は合格レベルに達しないと規定され、製品のリコールと販売禁止が言い渡されます。合格した製品群の不合格率は2.3/1000でした」1988年2月時点では、どの製品群も不合格率が12%でした。欠陥コンドームのリコールはその時点までに16件ありました。4比較的最近の例を挙げると「容認不可能レベルの穴とリングの破損による」Ramses Extra Strengthのリコール(1991年3月)5、FDA・食品医薬品局の品質管理の失敗によるSaxon Wet Lubricatedのリコール(1991年5月)6、その他もう一つ大規模なリコールが1991年11月のThe New York Timesによって報道されました。
浸透テストの結果、ラテックスはHIVウイルスに対して不浸透ではないことが判明しました。7それは、感染防止のために必要なラテックス製の手術用手袋に完全な不浸透性がないことを意味します。外科手術後、医師の手に患者の血液が付着していることがあるのは、既知の事実です。ですから外科医は実際には二重に手袋を着用しなければならない、ということです。このようなテクニックはコンドームに関しては実際的でなく、適用しできません。
C)肛門セックス。こういった事態もこの研究の対象にはなっていますが、肛門セックス用のコンドームについては未だに耳にしたことはありません。そのような製品を製造する会社が大っぴらに宣伝を控えている可能性があるのかもしれません。「肛門セックスの際のより大きな摩擦のため、そのためのコンドームは普通のものより丈夫でなければならない」と、同性愛男性によるコンドーム使用の安全性と容認度に関するある研究は述べています。コンドームが安全であればあるほど、つまり、その厚さが厚ければ厚いほど同性愛者は気に入りません。8それで解剖学的、生理学的に見て、正常のセックスより肛門セックスにおける失敗率ははるかに高くなります。膣と肛門はそれぞれ構造が異なるということです。ニューヨーク市衛生局のエイズとその伝播の性別と形態に関する報告の数字に従えば、若い同性愛者間の肛門セックスは特に危険です。1992年12月現在でより若年時の感染を意味する30歳未満の男性のエイズ感染者数は4587件でした。4352件に関しては伝播のおおよその形態が突き止められていました。その内2687人は高リスク男性との性交渉がありました。261人が静脈注射による麻薬を使用、また男性との性交渉もありました。2人は高リスク女性との性交渉がありました。女性に関して問題はかなり異なっています。29歳未満の件数は1454であり、その中1298人は十分な知識を持っていました。さらにその中のほぼ40%に当たる511人は高リスク男性との性交渉によって感染していました。9 これらの数字を研究することは重要ですす。その理由はそこで報告される「異性との性交渉によるエイズ」の増加は基本的に女性の問題であるように思われるからです。これらの数字はCDCによって集計されたものほど極端ではありません。しかし、異性間性交渉が男女にとって意味する危険度には明瞭かつ膨大な相違があることがはっきりしています。
十代のコンドームによる人工避妊の失敗は50%にもなる、という報告があります。この非常に高い失敗率のほとんどが、コンドーム使用上の失敗であることは確かであるにもかかわらず、数多くの医学的な論文が性/HIV教育が青少年の行動に著しい変化をもたらすとか、特に彼らの危険を減少するという点で常に失敗してきた、と論じている事実をわたしたちは認めなければなりません。11−16
次に引用するA.R.シッフマンはそういう所見をよくまとめています。「エイズとかHIV感染とその予防についての知識、また、この疫病についての情報源の数、感染者との交友関係、自分が犯す危険の予想、HIVテストに関連してのカウンセリングの体験等々は被感染者いにとっては危険行動の回避に関連づけられていませんでした。実際に、危険行動がもっとも多かったと思われる者たちほど、エイズで死亡していた知己がいて、自分自身の危険が高いと予想できた場合が多かったのです。大部分の若者たちが、普通、コンドームを嫌って使用せず、またその予防効果についてもほとんど信用していなかった、と言っていました。」17
青少年のコンドーム使用にとって大きな障害はしばしば、彼らの性行動が衝動的である、という点にあります。家族計画連盟によって依頼された、1986年のあのよく知られたハリスの調査は、14〜15歳の若者たちの83%がまったく予想していなかったときに性の初体験があった、と述べていることを報告しています。18
Family Planning Perspective 誌上で、D・カービー博士は、学校内のクリニックという照合して確かめられる環境下でも、人工避妊器具の使用にはなんらの影響も見られなかった、と書いています。若者たちの口からよく聞かれる二つの理由は「性交を予想していなかった」と「妊娠すると思わなかった」でした。博士は続けて、理由のほとんどは、「人工避妊器具(薬)が入手可能であったかどうか、ということとは無関係であった」と述べています。19さらに最近の同誌研究記事によると、博士はクリニックを利用する若者の出産率減少が見られないことを報告しています。20
学生によるコンドーム使用の心理的要素と補間公式を研究した何人かの著者は、彼らにはコンドームの一貫しない使用状態が見られ、一方では両親による指導不足、麻薬乱用、学業不振などの不利な生活環境に原因する(乱交とか麻薬などの)非常に危険な行動と相関していたことを指摘しています。
例えば、アンダーソンは、エイズについて教えられた子供たちの65.6%に、全く教えられていない子供たちの66.6%に、コンドームの不使用が見られたことを、報告しています。「常時コンドームを」使用する子供たちは、それぞれ34.4%と33.4%であったということです。彼は、HIV/エイズの授業が、危険度の少ない性的行動に関連づけられていないことも指摘しています。21
ワイスマンの報告によると、青少年でコンドームを常用する者の全体的な率は16%、「単婚的関係」の場合はやや高く、複数のパートナーがいる場合は低くなると報告しています。22ニューヨーク市とロックランド地区の学校を調査したH・ウォルターは、性的に活発な高校一年生の25.2%がコンドームを一貫して使っていない、また彼らの性的活動が乱交と麻薬使用と関連していることを発見しました。23そして、ディクレメンテは生涯にわる性のパートナーの数は、コンドーム使用の頻度と逆比例することを指摘しました。24
D・オルは自分の研究対象の女子のたった22%が、前回の性交の際にコンドームを使用したことを突き止めています。「いつも」使用するグループの55%は前回は使用していませんでした。これらの中23%はすでに妊娠しており、19%は調査時すでにクラミディアに感染していました。25そして、92年1月のMorbidity and Mortality Reviewによれば、学生の50%以下しか前回の性交の際にコンドームを使用していませんでした。26
D・オルは「心理・社会的リスクの表示としての若年性活動」という以前の論文の中で、そのデータが「性的活動は他の健康に有害な行為とは顕著に共存し、年齢が高くなるにつれて、交接はより頻繁にアルコールとマリワナ使用に結びつき、この傾向は、特に女子の場合顕著である」と述べています。27ギルモア他は危険な性関係は、麻薬、アルコール乱用、喫煙、不良行為と相関関係がある、と報告しています。他方、彼らの研究の中で伝統的価値、行動、家庭とか教会などの制度を大事にする青少年は「おそらく、彼らが将来に賭けているので」性的に危険な行動に出る率が低いとみています。28彼は最近Family Planning Perspectivesに掲載された最近の論評「十代の性と他の危険行為」で、個人としての青少年は、単一問題行動(麻薬、暴力、盗み、登校停止、退学)だけに終始することはまれである、と述べています。29
コンドームは「危険を減少する助けになるかもしれない」が、正しく、そして、常に使用されねばならない。これは青少年には期待できないが、その限りでは、大人にとっても同じかもしれない。最近の調査は、大学生の間でも、彼らは性病にかかる危険について心配しており、また「より安全な性」のやり方についての知識があるにもかかわらず、それを実行する者が少ないことを示している。「いつでも」コンドームを使用するのはたった23%だけである。30若い男性同性愛者の間でさえも、クレピンガー他の報告によると、性病の恐ろしさについて彼らが認識していたとしても、それによって彼らの性的行動はあまり影響を及ぼされないように見える。エイズに関する知識と彼らの最近の性的行為の数、コンドームの使用、または「肛門セックスとか行きずりの性行為をすること」とはっきりと結びつかないのである。31血友病患者と彼らの妻たちは特別なグループを形成する。ほとんどの患者はHIV陽性反応の発生前に血液製剤によって感染させられている。これらのカップルの大部分は、普通安定した一対一の関係にあり、「安全な性」のあり方についてカウンセリングを受けていた。明らかな危険があるにもかかわらず、そのような勧めに応じないことは珍しくない。率にすれば、45%〜55%が応じようとしない、といわれる。32、33
コンドームの使用は洗練、成熟、自己抑制、計画性、動機を要する。その場限りの快楽を追い求める未熟で、衝動的、危険を気にしない思春期の若者たちは上記の諸性質を獲得し、実践できそうには思えない。そして、もし、彼らにこういうことを教えることさえできたら、今経験している高い中途退学率が示すような教育の危機に陥るようなこともなかったであろう。
結論としていえるのは、青少年はもっと深い問題があるからこそ、性活動にのめり込んでいく、ということであり、いくら性教育をしても、彼らにコンドームを正しく、常時使用するよう教え込むことはできないであろう。
HIV予防血清転換のためのコンドーム
最近の文献を詳しく調べたにもかかわらず、コンドームの使用と(セックスによる)HIV感染予防の間にある強力に肯定的な相互関係を示す医学論文はまったく見つけることができなかった。32−39もちろん、コンドーム使用に対する信仰のような発言があるのは確かであるが、この信仰を支えるよく立証された科学的証拠は今の所見あたらない。(実際に、いかなる性病も予防するというコンドーム使用の科学的な研究は、最近、読んだことがない。それどころか、例えば、薬局でコンドームの店頭展示を義務づける法律に見られるようなコンドームのより容易な入手可能性と最近の性病の大流行の間には強い積極的な相互関係さえあるような感がする。)
ほとんどの研究は、短期間にわたってのものでしかなく、適当な照合して確かめることのできる対象群を持たず、また、若年人口を代表していないようなグループが対象であったりする。例えば、これらの研究のあるものは、結婚している血友病患者が対象であり、若い人たちの性的活動の代表であるとはいえない。それに加えて、これらのグループの中には何か違ったものがあるようだ。なぜかといえば、血清転換を伴わないいくつかの妊娠も見られたからである。33このグループ内での血清転換の優性はわずかに約10%であり、32、33、38、40 この低い率はPCRとヴィールス培養によって確かめられている。41、42故に、一方が血友病患者である男女の「コンドームによる予防」の全ての研究は信用ができなくなってしまう。
あるアフリカの国の売春婦たちの書類で実証された研究は、高レベルの血清転換が見られ、その研究は中止に追い込まれたのである。この研究は、「試験管の中では」対ヴィールス活動をすると見られるので、予防作用があるという触れ込みであったノノクシノル9の使用も含むものであった。その研究が中止されたその時点では、ノノクシノルを使用していた売春婦たちの血清転換の率は、統計的に意義があるほどの違いではなかったとしても、比較的に高い数値を示していた。43
ハースト他は血清転換の危険を数値的に見積もろうとしたことがある。彼は「静脈注射による麻薬使用者、両性愛者、売春婦とのコンドームを使用しての性交は、高リスク・グループに属さない人とのコンドームなしの性交よりはるかに危険である」と結論している。44
同様な結論が、コンドームの使用法を教えられた性病治療中の患者の再感染の頻度の研究によっても出てくる。コーエン他によると、男性の19.9%と女性の12.6%はわずか9ヶ月の追跡調査で再感染していることが確かめられた。45
最後に、最近、Social Science and Medicine誌に掲載された、テキサス医科大学ガルベストン校のスーザン・C・ウェラーの詳しくまた統計的にも徹底した研究は、87の医学論文を研究した結果、性のパートナーを用心して選択することによって、危険度を2等から4等級の割合いで、引き下げることができる、と結論している。他方コンドームは、その効果が90%であるとすれば、その危険をわずか一等級減じるだけである。そして、彼女の実験的なデータの分析によると、その予防的効力は69%以上ではないと見積もられている。46
これまでに名前の挙がった著者たちの多くが強調するように、「守られた性」によって提供された偽りの安全感は、予防効果がそれほど低いとき、実際は、コンドームの配布、学校ごとのクリニックなどと時を同じくして起こった十代の妊娠の増加に観察されるように、ケースの数を増やしてしまうことにもつながりかねない。
性病
青少年の性病の被患率は高い。ニューヨーク・タイムス(1993年3月31日)に再掲されたアラン・ガットマッヒェル協会の論文によると、米国では毎年、12,000,000の新しい性病の発生があり、その中の25%に当たる3,000,000が25歳以下の患者である。骨盤炎症(PID)、不妊症、子宮外妊娠、そしてこれらが女性をさらにエイズに罹りやすくすることなどと、性病で苦しむ度合いは女性の方が圧倒的に高い。ウィリアム・R・アーチャーによると「高校を卒業する前に性的に活発な三人に一人の十代の若者たちが性病に罹ることになる。」47そして、マックレーは「陰部または肛門の潰瘍(梅毒、軟性下疳、単純疱疹)を特徴とする性病に罹った人は、生物学的理由のために、HIV感染に罹ったり、それを移したりする率はずっと高くなる」と言う。48事情を複雑にするのは、これらの人々の80%は自分が性病に罹ったということさえ知らないので、意識せずに他人に感染させてしまうことができる。48そして、性的には乱交に陥りやすく、また肛門セックスをする麻薬常習の十代の若者たちは、特に、性病とHIVに罹りやすいのである。50
コンドームでは性病を完全に防ぐことができない。CDCの公的刊行物、Morbidity and Mortality Weekly Review (MMWR)には次の記載がある。「禁欲とお互いに忠実な一人の罹患していないパートナーとのセックスが唯一の100%効果的な予防戦略である。性交の度にコンドームを正しく使えば、性病の危険を減少はするが、排除はしない。HIVに感染しやすい人たち、もしくは、すでに感染している人たちは、コンドームの使用が自分自身への感染も他人への感染も完全に排除することはできないことを知るべきである…コンドームで保護していない皮膚の範囲が感染源になったり、感染に対して無防備であったりするので、コンドームによる保護は、思ったほどないかもしれないのである。実際に、どの程度コンドームが性病を予防するかを測定するのは困難である。コンドームは、常に効果的に性病を予防するわけではない。」4そして、ケイツはFamily Practice Perspectivesで、さらに評価を難しくする要素を挙げている。「コンドームが性病を予防するかどうかの、女性の場合を照合して確かめる研究は、男性を対象にする同様な研究の場合よりも、信頼できる証拠が得にくい。」同論文中に、彼は、コンドーム使用グループと不使用グループの間にクラミディアの流行度の違いはないとみている。51そして、サミュエルスはコンドーム使用の大学生の被患率は35.7%で、不使用者の場合も、統計的にはさして異ならない37%であることを突き止めた。52
コンドームは、人体乳頭腫ヴィールス(HPV)の予防に対しては、特に不十分である。このヴィールスのいくつかの変種は子宮頚管の癌と関係があるといわれる。移転した子宮頚管の癌は最近、エイズの定義に加えられるようになった。ケイツはコンドームが子宮頚管の人体乳頭腫ヴィールスの感染にまったく無力であったという報告のあるフィンランドの研究を引用している。51そして、コロンビア・プレスピテリアン医療センター婦人科病理学科の部長を務めるリチャート博士は、Oncology Timesとのインタビューの中で、感染している男性の20%は人体乳頭腫ヴィールスの病巣を非陰茎部に持っており、しかも、それらの多くは極端に見え難く、そして、感染力は強い。14〜18歳の女子の20%はすでに人体乳頭腫ヴィールスに冒されており、4人に3人は子宮頚管の癌と関係のあるヴィールスの病巣を持っている。53そして、カリフォルニア大学、サン・フランシスコ医学校の後援による家庭医療の年末レビューで、人体乳頭腫ヴィールスは、一部位に限られた疾病ではなく、コンドームのような部分的カバーなどでコントロールするのが難しい、局部的な疾病であること、を強調した。54
以上簡単に述べたように、コンドームと諸性病はそれら自身の病状のためだけでなく、諸性病がHIVの性的な感染を容易にしてしまうので、問題が多い。これは、皮膚/体液の分解作用によってだけでなく、ヴィールスによってひどく感染している細胞を含む炎症を起こしている細胞の反応によっても起こる。
人工避妊指向の性教育と性的行動
1950年代初期から思春期の性行動と婚外妊娠の緩慢な増加が見られた。その頃の数字は大体3〜5%程度のもので、それは貧しい少数民族に偏っていた。1960年代になると、片親の数は何と16%にも達してしまった。それで、指導的立場にあった(現在は上院議員)のモイニハン教授が両親揃った家庭を復権させることを狙って、強力な方法をいろいろ提唱したものだ。家族計画連盟と合衆国性情報・教育協議会(SIECUS)は、同じ問題に気付き、人工避妊を強調し、両親が立ち入ることのできない学校内のクリニックの確立を強調する性教育の履修課程の拡張を提唱して、成功を収めた。アスピリンと喉薬は秘密裏に与えることができなかったが、これらの制限は人工避妊器具(薬)とその使用法の説明には及ばなかったのである。ロー対ウェイドの裁判に次いで、人工妊娠中絶に関するカウンセリングもこれらのクリニックの標準装備の中で出番の多い要素となっていった。そのものズバリといった性教育の履修課程の拡張、人工避妊手段の容易な入手、思春期の妊娠の爆発との間の驚くべき並行線は、1981年3月の合衆国上院労働と人的資源に関する委員会の前でのS・ロイランス、J・A・フォード、J・カスンの証言の中に詳細に記録されている。彼らのデータはこれらの新しいプログラムの導入と並行して、また、これらのプログラムのための支出が増えれば増えるほど、妊娠が増えていったことを示した。そのための支出がもっとも多い州では妊娠と人工妊娠中絶のレベルがもっとも高かった。モデル州であったカリフォルニアで、1970〜1976年に十代の妊娠率は米国の他の地方の20倍も早く上がっていった。フンボルト地方では、この増加が性教育の導入に伴い、40倍にも上った。
これらの結論は、未成年に人工避妊器具(薬)を提供するときには、親の承諾を必要とするとした1980年にユタ州で通過した法律の諸結果と比較されねばならない。そこではクリニック通い、十代の妊娠率、人工妊娠中絶が目立って減少した。55ミネソタでも両親に通告することを義務化した法律の通過と共に、同じ傾向が見られた。56
1982年ニューヘイヴン保健省の医療部長H・H・ニューマン医師は、十代の妊娠を防止するという触れ込みで、性教育プログラムは子供たちに、例えば、マスターベーション、性的技巧、同性愛、強姦などの分野を研究することによって、性的適応を達成するよう教育しようとしている、と書いている。「若い人たちに望まない妊娠と、その諸結果を避けるように教える代わりに、わたしたちは、性の喜びが自分たちが生まれながらに持っている権利なのであることを、彼らに教えている。」彼は続けて、このような学科が十代の妊娠によい影響を与えるかどうかについて科学的な証拠はない、と言う。彼自身の経験はその反対を示す。そして、彼は、余りにも老齢なグループと性教育を受けなかったグループを除いて、当時「非合法な誕生」と呼ばれた私生児の増加を経験したスウェーデンのケースを引用する。ニューヘイヴンには互いに類似する学校が三つある。その一つは、11年前から包括的性教育を開始し、その結果はそのようなプログラムを提供しなかった他の二つの学校と比較して、妊娠数の驚くほどの増加であった。彼は、自分の意見では「問題の原因になっているかもしれない」このようなプログラムを採用する前に、更なる研究と統計的な証拠が必要であったと結論づけた。57
出版されているあまたの論文はこの意見を支持する。マルシグリオ、モット、ドウソンの論文は、早期に性教育を受けた子供たちは、早期に性活動を始める可能性がそうでない場合と比較して1.2〜1.5倍も高いことを指摘した。58、59家族計画連盟から委託を受けたハリス調査はこれらの結論を確認している。18そしてさらに最近、新聞はロスアンジェルスとコロラドの同じ経験を報じている。60、61
CDCは、15歳の女性の性的活動の増加が1970年の4.6%から1988年には25.6%になっていることを報告している。62Family Planning Perspectives誌上に発表されたこのデータの分析は乱交の増加、人工避妊方法の稚拙さであった。63そのような証拠の性質からして、また、質問者の人工避妊容認の立場からしても、若い男女が認めた30〜50%のコンドーム非使用率の本当の数字はもっと高いのかもしれない。1992年9月このデータは、再度、思春期の若者たちの乱交、エイズ、コンドームについてのCDCの報告によって確認されている。64
社会全体にとって、性教育が失敗したことは明白であるように見える。しかし、成功か失敗かを評価する前に、わたしたちは彼らの目的を見据えなければならない。以上見てきたいくつかの節で入手できる情報をもとに、十代の妊娠を減少させるという所期の目的は失敗しているように思われる。そして、これらのプログラムを引き続いて実行しようとすることは、彼らの真の目的が、性に対する社会の態度を改革してしまうこと、この分野における伝統的な制約を捨てて多くの親が間違っている、と思う行動を受け入れるよう勧めることにあるように思われないだろうか。このような目的は公開の討論で正当性を主張することはできないように見えるので、エイズと妊娠防止の神話が繰り返されねばならないのである。
Parents Magazineの最近号は、明確に、合衆国性情報・教育協議会(SIECUS)と家族計画連盟の目的が「若い人たちが責任ある性的決定を下すことができるように、彼らが必要とする技術を提供することによって、健康な性を推進する」ことである、と述べている。65しかし、彼らは、後に残した災害がわたしたちの子供の将来を左右するというのに、何の責任をとろうともしないだろう。彼らの社会操作は大失敗に終わり、若い、未熟な人たちが、何世紀にもわたる文明の知恵をあっさり捨ててしまい、以前試されたことのない流行の意見に基づいた考え方を事実として教え込まれてしまっていいのであろうか。健康な性生活と子供を育てるためにふさわしい環境は結婚である、という普遍的認識は特定の宗教的または道徳的信念に基づくものではない。そうでなく、そういう信念は、実験と失敗の無数の例の結果として認められなければならない。確立された慣習を少しでも変更しようというのであれば、まず要求されるのは、科学的な証拠なのであるが、現代、制限なしの性的活動の提唱者たちはまったくそういう証明をすることができない。ニューヨーク市の公立学校制度は、一昔前の世代には役立った禁欲に基盤をおいた方法と、新しい、熱狂的に勧められてきた管理された乱交とを、注意深く照合して確かめることのできる科学的研究を進めるために、願ってもない機会を提供してくれている。
コンドーム/HIV中心の性教育に代わるもの
D)カービーは性教育と妊娠、性病の予防にそれと異なる方法を研究してきている。彼の結論は、知識重点のカリキュラムは失敗したと結論を下している。これは遅すぎる感じのする発見ではあるが、昔のギリシャ哲学者の、知識と徳は必ずしも手に手を取って歩むものでないという結論を確認している。カービーが「第二世代」と呼ぶ価値の明確化と決定も、彼は失敗と見ている。そして、分析もしないで、禁欲に基づく「第三世代」といわれるプログラムも放棄してしまう。このやり方が採用されてきた所でのこれらの実験の結果も見ようともしないで、この方法を考慮の対象から外してしまうことを許すような、もっと優れた知恵が専門家の間にはあるかのようである。彼は、それで「危険の軽減」と呼ぶ禁欲と人工避妊の混合である「第四世代」プログラムを提唱する。彼らの分析によれば、このプログラムは性的活動を減少させることなく、女性と「低リスクの若者たち」の間で人工避妊を実行させるのには役立ったとみなされた。66
すでに述べたように、CDCとニューヨーク市の保健委員会の統計は、異性間性交によるHIV感染率には、男女間に驚くほどの相違があることを示している。理由は不明であるが、この相違は、黒人・ヒスパニックと比較してみると白人の間に大きい。女性から歓迎されるが男性には喜ばれない人工避妊の方法は、若い人たちが真実を言ってくれたと仮定した上でのことではあるが、コンドーム、つまり、HIV感染には効果のないタイプ、低リスク・グループには役立つが、より高リスク・グループには役立たない方法でしかあり得ないので、わたしたちが熱心に研究する価値はないように思われる。もし、その反対に、高リスク・グループを低リスク・グループに、低リスク・グループを無リスク・グループに変えてしまうことができたら、わたしたちの為政者たちは当然それらを注意深く照合して実証する比較研究を探求し、評価すべきである。
1981年の公衆衛生サービス法のXX法こそ正にそれを狙うものであった。それは、禁欲に基盤に基づく方法の推進と評価を助成するものであった。その最初のプログラムは「性的関係の延期」というもので、アトランタの1983年、貧しい地区にある学校で開始された。「中学二年の学年末までに、このプログラムに参加しなかった児童は、参加した児童の5倍の率で性的活動を始めた。」67
同様なプログラムは各地で数多く展開されている。その大多数が宗教的関心のある人たちによるものである傾向があるにもかかわらず、連邦政府から少額でも補助金を受け取っている限り、厳格に非宗教的な性格を保持している。その中でも、ジョゼフ・ケネディー基金が後援する「Community for Caring」68、「Teen Aid」69、「Sex Respect」70、「Teen Choice」71、「Free Teens」72をここに挙げておこう。これらのプログラムの共通項はいずれも、禁欲こそ思春期の若者にとってはもっとも健康な選択であること、性的活動は、相手に対して自分の責任がとれる成熟した関係があるときにのみ許されること、どんな教育制度であっても、性格形成がその一部に組み込まれていることが望ましいことなどである。これらのプログラムは全て性的活動と妊娠率の減少に驚くべき効果を発揮した。この成果は、人工避妊器具(薬)に基づくどのプログラムも達成することができないものである。HIV感染に関しても、同様、もしくは、もっと良い成績が期待される。もし、新しい生命の危険が抑止になるのなら、積極的にそれを強化すれば、危険が死である場合、同様、もしくは、もっといい成績を期待するのは論理にかなうことである。小耳に挟んだ話に基づいて一つ言いたいことであるが、それは、禁欲を強調するそれらの中のいくつかのプログラムが、万が一にということで、コンドームを配布していたが、100%禁欲に頼るプログラムほどの効果は上げてこなかった、ということである。73
結論
ここ数十年の間に起こった性の革命は、多くの専門家たち、ことに自分の子供のいない専門家たちの考え方と観点を深く変化させてしまっている。大人が私室で行うことが許される行為が、今子供たちに勧められている。このように考える人たちは、子供が大人に育って行くには時間がかかる、大人にとって明白には悲劇的な結果でないいろんな思想を単に教え込むだけでも、そういうことは若い人たちに誤解され、行為に移されてしまう、ということを忘れがちである。わたしたちは学校の中で、殺人さえ含む暴力行為というもう一つの問題に直面している。少なくとも今までのところ、全ての児童が防弾チョッキを着て登校するようにとか、あたかも銃弾の一発一発が標的に当たることが当たり前であるかのように、流れ弾による死を避けるために正しい銃の使用法を彼らに教えるべきであるなど、と教える専門家はいない。無責任な飲酒の問題もある。これは無責任な車の運転とも関係があるのであろう。これらのことに関して、わたしたちは皆同じ考えを持てるのに、特に危険である行為を禁止しようと試みるほかに、わたしたちは未だに、若者たちに責任ということを教えるための間違いのない道を発見していない。そして、生命自体が、もっと責任ある振る舞い、このことを教えるにはもっとも成功した学校の一つである伝統的な結婚について教えてくれるまで、彼らが生き延びてくれることを希望するのみなのである。
文献(英文のまま)
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presently Director of Educational Services,
Americans for a Sound AIDS Policy.