「フマネ・ヴィテ」研究会のお知らせ

『フマネ・ヴィテ』研究会は、一九九六年一月三〇日、糸永真一鹿児島教区司教の認可のもとに発足しました。本書の訳者・成相明人が主宰。現在、同研究会は、教皇の教導職を大事に思う各地の司祭、修道者、信徒たちの間に広がりを見せています。

その目的は、回勅『フマネ・ヴィテ』の教えを研究、普及することです。活動の一端として、いままでおろそかにされてきた生命問題、特に、人工避妊に関する問題を取り扱った多くの記事、論文、小冊子を外国の文献から訳出して、日本の司教様方と会員に配布しています。生命問題に関する講演の講師養成、指導、派遣についても相談に乗ります。

数年前、英知大学の松本信愛神父が実施した全国的調査によれば、(求道者も含む)カトリック信徒女性の間には、約十五%の人工妊娠中絶の経験があるとされています。これによって推定されるのは、カトリック信徒の間にも人工避妊の悪習が浸透していること、司教・司祭たちによる指導が不足していたということでしょう。生命問題に関して、教会の指導者たちに十分な知識と勇気がなかったことも、この悲劇の一因でしょう。教皇ヨハネ・パウロⅡ 世は回勅『生命の福音』で「人工避妊メンタリティーと人工妊娠中絶メンタリティーは同一のものです」とおっしゃっています。日本カトリック教会の発展のため、司祭・修道者の召命増加のためにも、あの預言的回勅『フマネ・ヴィテ』の教えを遵守することは、いまや、日本のカトリック教会が避けて通ることのできない問題です。共に学び、祈り、行動しましょう。

『フマネ・ヴィテ』研究会 成相 明人