本書簡は米国ミルウォーキーのクリスティーナ・ヴァンダーブレーメン夫人がウィークランド大司教に宛てた手紙を翻案したもの。オリジナルの翻訳が見たければクリック

召命不足に悩む高松教区長深堀敏司教様に宛てた

一女性信徒の公開状

1999年1月20日

深堀敏司教様

主の平安

近年、司祭職と修道生活への召命減少してきたことに多くの人たちが気づき、その対策がいろいろ検討されているようです。当大司教区では教区報を通じて神学生募集の宣伝を始めています。表面的にこういう努力はまことに結構なこととは思いますが、召命減少の鹿児島の教会と信者に問題があることを、だれも大きな声で言おうとしません。

わたしが言いたいことを皆さんお分かりでしょうか? わたしが声を大にして言いたいのは、実はこの問題にはわたし自身にも大いに責任があるからです。長年にわたってわたしは産児制限を実行してきました。説教壇からはどの神父様もそれが悪であると教えてくれませんでしたし、信者の間にはこの問題に関しては賛否両論がありました。それでわたしもほとんどのカトリック信者と同様、子供は生まないように努めてきました。わたしたち信者の考え方の方がカトリック教会の教えよりも正しいと思ってきたせいで、いったい何人の司祭たちや修道者たちが避妊されてしまったことでしょう? わたしたちが中絶は殺人であると大声で、勇気を出して言わなかったために、いったい何人の司祭たちや修道者たちが無惨にも中絶されてしまったことでしょう? わたしたちは種をまかなかったのに、実りを期待しているのです。

神様はわたしたちに生み、増えるように命じられました。神様のこのお言葉は無条件の掟であり、また撤回されたという話も耳にしていません。召命問題に関して、わたしたちは神様に心を向けて祈るだけでなく、神様が望まれるように体も使わなければなりません。人工避妊は利己的行為です。わたしたちはこの罪を悔やんで、司祭たちに罪を告白して、赦しを受けましょう。どうぞお願いですから、司教様、神父様方は勇気をもって人工避妊が神に反する罪であるだけでなく、結婚、家庭、教会を破壊するものである、と説教なさってください。糸永真一司教様、召命不足を心配なさるだけでなく、ご自分の司祭たちにもっと勇気を出し、選り好みをしないで福音全体を説教するよう指導なさってくださいませ。

かしこ

ヨハンナ 黒田登志子